本文へ移動
TORENDIA

女

本文約210字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

宮沢賢治

速度
🎧 女 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

そらのふちは沈んで行き、松の並木のはてばかり黝んだ琥珀をさびしくくゆらし、

その町のはづれのたそがれに、大きなひのきが風に乱れてゆれてゐる。気圏の松藻だ、ひのきの髪毛。

まっ黒な家の中には黄いろなラムプがぼんやり点いて顔のまっかな若い女がひとりでせわしく飯をかきこんでゐる。

かきこんでゐる。その澱粉の灰色。

ラムプのあかりに暗の中から引きずり出された梢の緑、

実に恐ろしく青く見える。恐ろしく深く見える。恐ろしくゆらいで見える。

完

宮沢賢治の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本