TRENDIA CLASSIC
猫
宮沢賢治
1 / 1
(四月の夜、とし老った猫が)
友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。
(アンデルゼンの猫を知ってゐますか。
暗闇で毛を逆立てゝパチパチ火花を出すアンデルゼンの猫を。)
実になめらかによるの気圏の底を猫が滑ってやって来る。
(私は猫は大嫌ひです。猫のからだの中を考へると吐き出しさうになります。)
猫は停ってすわって前あしでからだをこする。見てゐるとつめたいそして底知れない変なものが猫の毛皮を網になって覆ひ、猫はその網糸を延ばして毛皮一面に張ってゐるのだ。
(毛皮といふものは厭なもんだ。毛皮を考へると私は変に苦笑ひがしたくなる。陰電気のためかも知れない。)
猫は立ちあがりからだをうんと延ばしかすかにかすかにミウと鳴きするりと暗の中へ流れて行った。
(どう考へても私は猫は厭ですよ。)
宮沢賢治の他の作品
TRENDIA CLASSIC
ペンネンノルデ
はいまはいない
よ 太陽にでき
た黒い棘をとり
宮沢賢治
ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ
宮沢賢治 ・ 約2分
TRENDIA CLASSIC
青柳教諭を送る
宮沢賢治
青柳教諭を送る
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
〔青びかる天弧
のはてに〕
宮沢賢治
〔青びかる天弧のはてに〕
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
秋田街道
宮沢賢治
秋田街道
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
〔あくたうかべ
る朝の水〕
宮沢賢治
〔あくたうかべる朝の水〕
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
朝に就ての童話
的構図
宮沢賢治
朝に就ての童話的構図
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
あけがた
宮沢賢治
あけがた
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
ありときのこ
宮沢賢治
ありときのこ
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
或る農学生の日
誌
宮沢賢治
或る農学生の日誌
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
イギリス海岸
宮沢賢治
イギリス海岸
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
イギリス海岸
宮沢賢治
イギリス海岸
宮沢賢治
TRENDIA CLASSIC
いてふの実
宮沢賢治
いてふの実
宮沢賢治