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TORENDIA

漬物の味〔扉の言葉〕

本文約350字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

白菜の塩漬けや大根の味噌漬けなど、遅まきながら気づいた漬物のうまさを語り、うまい漬物のない食卓は良い妻とは言えないと断言する、種田山頭火の随筆。

種田山頭火

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🎧 漬物の味〔扉の言葉〕 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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私は長いあいだ漬物の味を知らなかった。ようやく近頃になって漬物はうまいなあとしみじみ味うている。

清新そのものともいいたい白菜の塩漬もうれしいが、鼈甲のような大根の味噌漬もわるくない。辛子菜の香味、茄子の色彩、胡瓜の快活、糸菜の優美、――しかし私はどちらかといえば、粕漬の濃厚よりも浅漬の淡白を好いている。

よい女房は亭主の膳にうまい漬物を絶やさない。私は断言しよう、まずい漬物を食べさせる彼女は必らずよくない妻君だ!

山のもの海のもの、どんな御馳走があっても、最後の点睛はおいしい漬物の一皿でなければならない。

漬物の味が解らないかぎり、彼は全き日本人ではあり得ないと思う。そしてまた私は考える、――漬物と俳句との間には一味相通ずるところの或る物があることを。――

(「三八九」第弐集 昭和六年三月五日発行)

完

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