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TORENDIA

私の生活

本文約460字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

早起きはせずとも米を洗い味噌を摺るつつましい朝の日課を、半杓の水を惜しんだ古仏の遺訓になぞらえて綴る種田山頭火の随筆。

種田山頭火

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🎧 私の生活 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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あんまり早く起きたところで仕方がないから、それに今でもよく徹夜するほど夜更しをする性分の私だから、自分ながら感心するほど悠然として朝寝をする。といっても此頃で八時九時には起きる。起きる直ぐ、新聞を丸めた上へ木炭を載せかけた七輪を煽ぎ立てる。米を洗う、味噌を摺る。冬の水は冷たい、だから肉体労働をしたことのない私の手はヒビだらけだ。ドテラ姿で、古扇子で七輪を煽いでいる、ロイド眼鏡のオヤジの恰好は随分珍妙なものに違いない。しかも、そこでまた自分ながら感心するほど綿々密々として、米を洗い味噌を摺るのである。ありもしない銭を粗末にする癖に、断然一粒の米も拾うて釜へ入れるのである。釜が吹くと汁鍋とかけかえる。それが出来ると、燠を火鉢に移して薬鑵をかける。実にこのあたりの行持はつつましくもつつましいものである。思うに彼が、いや私がたとえナマクサ坊主であるにせよ、元古仏『半杓の水』の遺訓までは忘れることが出来ないからである。(ここまで書いたらもう余白がなくなった。集を追うて余白がある毎に書き続けるつもり)

(「三八九」第弐集)

完

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