約束
本文約4,400字 ・ 読了時間 約9分
あらすじ(AIが作成しました)
アルバンの王ケリルは、ある日仙界の王キイヴァンと出会い、互いの姿を入れ替えて一年を過ごす約束を交わす。両者はそれぞれの場所で愛憎と死の試練に直面しながら約束の期間を終え、元の姿に戻る。その後、人間であるエマルを妃に迎えたケリルは、彼女を奪おうとする仙界のバルヴァと対峙する。知恵を用いてエマルを取り戻し、子を授かるも、時の流れの中でケリルは成長した息子によりその生命を静かに終える。
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モイルの荒々しい水に洗われているアルバンの南方の王であったケリルが寂しい土地にたった一疋の猟犬をつれて一人で猟している時のことであった、ケリルはその時、同じ生命を持っている二人の生命は互に触れて一つになることがあるという事を見出した。
ケリルは羊歯のなかで牝鹿の足跡らしいのを見つけて身を屈めてそれを見ようとしたが、その時、猟犬はいきなり飛び退いてもと来た路を飛ぶように逃げて行ってしまった。
ケリルは驚いて犬の後を見ていたが、やがて自分の倚りかかっていた樫の樹から垂れ下がっていたミッスルトオのほそ枝を払いのけた。そのとき足の下で物音がした。見ると、ほそ長い秦皮の枝が二つに割れていた、そして彼の足がそこに横になって眠っていた人の真しろい手を踏んでいたのだった。
その人は若かった。緑色の衣を着けて、頸のまわりには黄金の鎖をまき、胸かざりや頸かざりや青色の石の足かざりもつけていた。彼は立ち上がったが背が高くて若木のようにほっそりして、顔は若々しく少女の顔のようにすべこく、髪は日光に照らされた生木綿のように白っぽい黄色であった。
ケリルはその人を見ていた。
「お目にかかるのは嬉しいが、まだあなたの顔は見たことがありません」ケリルが言った。
「私はあなたの顔を知っています、ケリル・マック・ケリル。あなたは私にこんな侮辱を与えたから、私もあなたの王位に疵をつけます」
「どんな疵をつけますか、『迅き槍』のケリルに疵をつけようとするあなたは誰ですか」
「私は仙界の王キイヴァンです。私はどんな災禍でもあなたに与えることが出来ます。しかし、私は自分に対して悪意を持っていないものには決して災禍を与えないという誓いをしているのです」
「死や恥辱でなく、王者らしい礼ある相談ならばいつでも辞さないのが私の誓いです」