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TORENDIA

ウスナの家

本文約17,000字 ・ 読了時間 約35分

あらすじ(AIが作成しました)

アルスタアの王コノール・マック・ネサは、自らの求愛を拒み愛した勇士ナイシイと共に逃げたデヤドラへの執念から、ナイシイとその兄弟を謀殺する。この不面目な行為により王は狂気に追い詰められ、国中に不穏な空気が漂う。過去の予言が示す通り悲劇が連鎖し、かつて権威を誇ったレッド・ブランチの騎士団や王の立場も揺らぐ中、自身の罪と失恋の苦しみに直面した王が、神々や運命と対峙しつつ孤独な破滅へと向かう様子を描く。

フィオナ・マクラウド Fiona Macleod

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はしがき

コノール・マック・ネサは西歴の始めごろ、アルスタアの王であって、同時に愛蘭諸王の盟主であった。ある歴史家の言に依れば、コノール王の治世はちょうどキリストが人間としてこの世に在った頃と同時だろうということである。

コノールはレッド・ブランチと名づけられた騎士の一団をつくり――これは主として史詩にのみ唄われているが、実はアーサア王のラオンド・テーブルの先駆とも云うべきものであった――彼の人格と国民の勢力に依って(彼の国民は Ultonians と呼ばれていた)愛蘭全国の王となり、国内の諸国を合せて一国となし、永久に彼と彼の子孫がその上に君臨すべき希望を持っていた。

そういう希望を持ちながら、コノールは予言者の予言も神々の意志も眼中に置かなかった。長いこと計画していたことであったが、彼は残忍な卑怯な手段を以て蘇格蘭のゲエル人の勇士ナイシイとその二人の弟たちを殺した、彼等の父なる勇将ウスナは在世中つねにコノールの味方であり、戦争にも平和にもいつも彼と行動を共にしていた人であったが。この劇の時代は、デヤドラとウスナの子たちの伝説に語り伝えられているデヤドラの出奔から四年ほど経った頃である。もっと明瞭な時をいえば、コノール王の大事に育てていたデヤドラ(其時代の最も美しかった婦人で、其誕生当時すでに大なる不幸が予言されてあったにも拘らず、コノールは彼女を自分の王妃とする心算でいた)をナイシイが愛し、デヤドラがナイシイを愛した為にコノールはその執念ぶかい恨を晴らすためナイシイ及びその二人の弟たちを殺してしまった、その翌年の事である。

王としてあるまじきこの不面目なる行為のため、コノールの嗣子コルマック・コンリナスは他の将軍たちと共にコノールを捨てて、王の強敵メーブ女王の軍に投じた、女王はその時中部及び西部の諸軍を率いてコノール王のアルトン国を攻めに行く中途であった。この時、勇士コナイル・カルナ及び彼の有名なる少年英雄クウフリンの二人だけはコノール王に信義を守って敵方に行かず、神々の御心に背いてまでも花々しく勇戦したのであった。

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