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TORENDIA

胡瓜

本文約960字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

温室栽培による促成野菜の普及に伴い、旬の意義と促成野菜が持つ独自の価値を論じる。また、美味しい胡瓜の選び方や成長段階による評価、漬けものにする際のぬかみその管理法、胡瓜と茄子の取り扱いにおける差異といった、食を楽しむための具体的な知恵と技術を綴る。技術の進歩で季節の楽しみが多様化する現代において、先人から伝わる調理のコツを理解し、適切に活用することの重要性を示している。

北大路魯山人

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🎧 胡瓜 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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今日では温室栽培の向上によって、くだもの、野菜など季節がなくなってしまった。早晩、俳諧歳時記など書き改めねばならなくなりそうだ。とはいっても、やはり旬のものに越したことはない。

あえてきゅうりにはかぎらないが、旬がうまいということは、今も昔も変わらない。

しかし、促成野菜を味なきもののようにいうのは、促成野菜の価値を認識しない批評であって、促成野菜は、いわゆる旬のものにない味わいを持っている。従って、軽々に取り扱うのは考えものである。

昔は旬のきゅうりという一つのものであったが、今日では促成野菜というものができて、きゅうりもなすも二種類になっているわけである。その他にも一が二になっている促成野菜というものは多種多様に発明されている。

従って促成と季節と楽しみは二つにふえているわけである。

ところできゅうりはまっすぐなのがよく、ひょうたん形のものはまずい。総じてよいきゅうりは形が平均している。真盛りになると、大きくなっても種がないうちはうまいが、種ができるように成長してしまっては落第である。一般に、温室など利用して作った小さなきゅうり、俗に初物と呼ぶような出たてのきゅうりで、料理屋などで使うのは、小さなのがよい。これは贅沢なシャレた食べ物の場合だが、いいきゅうりの漬けものを賞味しようと思ったら、やはりあとさきの揃ったものを選ぶべきだ。

漬けものの漬かり加減は非常にむずかしく、気候とぬかみそ漬けの置き場で、漬かり方の速度に非常な差異ができるから、その点、注意深く心がける必要がある。不精して漬け過ぎると、きゅうりはすっぱくなるから、いい加減の時にぬかみそから取り出しておく。取り出しておいても味は急に変わらない。そのまま漬けておいたのでは酸っぱくなってしまう。ちょうどいいと思える時に取り出して、ぬかのついたまま包み、冷たいところに置いておく。そうすれば二、三時間経ってもうまく食べられる。そのわけは塩が中まで浸潤していかないので味が変わらないからである。

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