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TORENDIA

瀧

本文約1,000字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

瀧の水の音や白泡に心惹かれる著者が、信濃下諏訪の旅館から望む庭の小瀧と、日光の華厳の瀧を訪れた際の感動を綴る。庭の瀧には読書に耽る折の安らぎを見出し、華厳の瀧にはその壮大な勢いと常世の響きを感じて感銘を受ける。著者は華やかながらも厳かさを兼ね備えたその姿を高く評価し、自ら詠んだ歌を添えて瀧の神秘的な美しさを描写する。

今井邦子

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🎧 瀧 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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瀧を見ることはたのしいことです。

瀧は私はどんな小さい瀧でも、たとへば行きずりに見るほどのものでも、必ず一寸立ち止まつてその水の音をきゝ、碎け落つる白泡を見て一瞬たのしい心になる程好きなのであります。

私は近年、夏を郷里の信濃下諏訪町のカメヤホテルといふ古風な旅館にすごす事に定つてしまひましたが、それはその家の人々が家族的に親切であるといふ事も大きい原因ですけれど、一つはその家の庭が昔から流行唄にうたはれた程よい庭であつて、その背景にすぐ後の諏訪大明神の森林、大木の欅の並み立つ深い森をとりいれて作られた、趣ふかい庭であるからです。

私は丁度其庭に直面した十五疊ほどの大きい座敷を毎年定つてとつておいて貰ふのですが、その庭の向ふに小さい瀧が落ちてゐます。そこには年古りた石燈籠があつて、瀧から落ちる水は眞夏の強い光を反射して、この年古りた石燈籠にキラ/\と影を投げます。私は讀書に飽きた時、一人つれ/″\なる時、この庭の向ふの小さい瀧の水を見てゐると飽きるといふことがありません。夜は締め切つた雨戸をこして、この瀧の音が夢に入るまで凉しい水の歌を奏でてくれます。

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