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TORENDIA

酒場にて

本文約270字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

中原中也

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🎧 酒場にて / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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今晩あゝして元気に語り合つてゐる人々も、

実は、元気ではないのです。

近代といふ今は尠くも、

あんな具合な元気さで

ゐられる時代ではないのです。

諸君は僕を、「ほがらか」でないといふ。

しかし、そんな定規みたいな「ほがらか」なんぞはおやめなさい。

ほがらかとは、恐らくは、

悲しい時には悲しいだけ

悲しんでられることでせう?

されば今晩かなしげに、かうして沈んでいる僕が、

輝き出でる時もある。

さて、輝き出でるや、諸君は云ひます、

「あれでああなのかねえ、

不思議みたいなもんだねえ」

が、冗談ぢやない、

僕は僕が輝けるやうに生きてゐた。

(一九三六・一〇・一)

完

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