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TORENDIA

感化院の太鼓(二場)

本文約9,600字 ・ 読了時間 約20分

あらすじ(AIが作成しました)

公園で息子・麦太郎の感化院への入所を巡り、海老子夫人と姉の繭子は、反抗的で落ち着きのない麦太郎を説得する。院長が掲げる自由な教育方針に期待を寄せつつ、複雑な心情を抱えながら二人で院内へ案内する。院長や奇妙な教師たちに出迎えられた麦太郎は、早速、遊戯室で太鼓を叩き始める。その様子を窓から目撃した二人は、安堵と困惑が入り混じった激しい感情を露わにし、室内では不気味な太鼓の音が鳴り響く。

岸田國士

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麦太郎

繭子

海老子夫人

女事務員

葱沢院長

袖原さん

其他無言の人物

[#改ページ]

第一場

公園の一隅――杉の木立を透して黒板塀が続いて見え、梅雨晴れの空に赤瓦が光つてゐる。

小径を前にして朽ちかけたベンチが一つ、サイダアの空瓶や新聞紙の丸めたのや蹈みつけられた折などがあたりに散らかつてゐる。

繭子を先頭に、麦太郎、海老子夫人が現はれる。繭子は水色のパラソルをさした二十三四歳の未婚者。麦太郎は金釦の制服に帽子だけ鳥打といふ怪しげないでたち、おまけに勿体らしく細身のステツキをついてゐるが、その手つきはまだ十三四の初々しさである。海老子夫人は、紋附の黒の夏羽織、傘はささずに、扇子をつかつてゐる四十四五の近代母性型、黙つてゐる時、上唇で鼻の孔を塞ぐ癖がある。

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