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TORENDIA

ぎたる彈くひと

本文約240字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

萩原朔太郎

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🎧 ぎたる彈くひと / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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ぎたる彈く、

ぎたる彈く、

ひとりしおもへば、

たそがれは音なくあゆみ、

石造の都會、

またその上を走る汽車、電車のたぐひ、

それら音なくして過ぎゆくごとし、

わが愛のごときも永遠の歩行をやめず、

ゆくもかへるも、

やさしくなみだにうるみ、

ひとびとの瞳は街路にとぢらる。

ああ いのちの孤獨、

われより出でて徘徊し、

歩道に種を蒔きてゆく、

種を蒔くひと、

みづを撒くひと、

光るしやつぽのひと、そのこども、

しぬびあるきのたそがれに、

眼もおよばぬ東京の、

いはんかたなきはるけさおぼえ、

ぎたる彈く、

ぎたる彈く。

完

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