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TORENDIA

特殊部落と寺院

本文約4,600字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

屠殺や皮革加工に従事し社会から圧迫を受けた人々が、浄土真宗の教えに救いを求め、熱心な信徒となる過程を論じる。かつて仏教から疎外されていた彼らに寄り添ったのは真宗の僧侶であり、その布教の歴史と部落に寺院が建立された背景を綴る。また、真宗内ですら当時存在したエタ寺への差別構造や、僧侶が教導のためにあえてその身を投じた殉教的側面など、時代の変遷に伴う世態の移り変わりと宗教的受容の諸相を描く。

喜田貞吉

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🎧 特殊部落と寺院 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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部落民は一般に仏法に対して最も熱烈なる信仰を有している。彼らが寺院に参詣して仏を拝し法を聴くの状態を見るに、一心に浄土を欣求するの至情が躍如たるものがある。彼らには日常の生活に苦しむ身でも、御本山への志納金はあえて怠らない。旅費がなくなって空腹を忍びつつ、遠路を徒歩して、遂に行き倒れにまでなりかけた婆さんが、懐中なる阿弥陀様のお金には手をつけなかったという話もある。けだし彼らはもと屠殺を業とし、皮革を扱い、肉食に慣れていたがために、穢れたるものとして、仏者から嫌われ、ことに仏臭を帯びた神道者流から甚だしく忌まれた結果、自然と仏縁にも遠かったのを、幸いに真宗の布教によって救われて、始めて極楽往生の有難いことを覚ったのであった。ことに彼らは、社会の圧迫がますます彼らに加わり、社会の侮蔑がますます彼らに注がれるに及んで、痛切に現世の穢土なることを観じ、一心に浄土を冀うのほかまた何らの光明をも認め難きの状態となったが為に、これをその光明界に導き給う仏に帰依するの殊に篤きに至ったのは、まことに無理ならぬ次第である。

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