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TORENDIA

誤解せられたる生物学

本文約6,000字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

科学として重要な価値を持つ生物学が、世間や教育の現場で博物学と混同され、正当に理解されていない現状を論じる。本書は、記載と分類を主とする旧来の博物学と、経験と推理を重んじる現代の生物学との違いを明確にする。また、生物学が単なる実用や観察の学問に留まらず、人間社会や思想界、さらには精神科学の基礎となる重要な学問であることを説き、その本来の意義と位置付けを世に問う。

丘浅次郎

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🎧 誤解せられたる生物学 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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科学の中には教育のない人々からつねに誤解せられているものが少なくない。たとえば地質学の教室へ外国人をつれてきて、ここは土壌を分析していかなる作物に適するかを調べるところであると、説明した案内者もある。また日々の天気予報は天文台から出るものと心得て、星学者に向かってそのあまりあてにならぬことを盛んに攻撃しかけた紳士もある。しかしこれらはいずれも極端な例であって、今日一通りの普通教育を受けた人ならば、かくはなはだしい間違いをする者はなかろう。しかるにここに一つ普通教育を受けた人々はもちろん、教育の任に当たれる人々までが誤解しているごとくに見える科学がある。それはほかでもない。すなわち表題にかかげた生物学であるが、誤解の結果としてこの学の真の価値が認められず、きわめて重要な性質のものでありながら、すこぶる等閑に付せられていることはわれらのつねにもっとも遺憾に堪えぬところであるゆえ、ここにいささかその誤解せられている点、その誤解せられる理由、ならびに真の生物学とはいかなるものなるかを述べておきたいと思う。

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