雪協議会の報告
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あらすじ(AIが作成しました)
英国エジンバラで開催された万国雪協議会の第一回総会報告書を読み解き、その内容を論じる。世界各国の雪氷学研究の中でも、特にロシアの研究水準が卓越している点を指摘する。ネバ河の凍結観測に基づく水力発電への応用など、極寒地における技術的成果を挙げ、流氷による交通遮断といった課題を抱える日本においても、組織的な研究の必要性と重要性を説く。
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万国雪協議会というものがあって、世界四十何か国の学者を会員として、盛んな活動をしようとしている。その第一回総会が四年前に英国のエジンバラにあって、その報告がやっとこの頃出来上った。八百何十頁という部厚なもので、数百の論文が載っている立派なものである。
一通りざっと目を通して見て驚いたことは、その中にある論文のうちで、ロシアのものが頭抜けて優れていたことである。英米独各国のかなりの名の知れている学者の論文でも、ロシアの連中の研究に較べると大分見劣りがする位であった。
雪協議会といっても、氷や凍結の問題も含めているので、例えば、レニングラードの低温科学研究所長の河川の凍結に関する研究などは、その中でも特に光輝をはなっているように見えた。ネバ河における二十年の観測と、実験室内における純物理学的研究と相俟って、遂にロシアやシベリアなどの極寒地で水力電気発電所を作りあげたのだから、敵ながら天晴れというより仕方がない。
海の流氷に関する研究の優れたものは見当らなかったが、特に発表を差し控えているのか、それでなくても、あれだけの人と組織とを持っておれば、わけなくその問題も解決されそうである。
我が国でもこの冬のようにちょっと流氷が多いと、北海道と樺太の連絡が遮断されてしまうような状態で、いつまでも安閑としているわけにも行かないだろう。
(昭和十四年三月『東京朝日新聞』)
完