本文へ移動
TORENDIA

東亜の平和を論ず

本文約15,700字 ・ 読了時間 約32分

あらすじ(AIが作成しました)

日露戦争の勝利を見据えた著者が、世界情勢における日本の地位と東アジアの安定について論じる。急速に近代化を遂げた新興国として、日本は独りよがりな強国ではなく世界から認められる存在を目指すべきだと説く。同種同文である中国や朝鮮の発展を支援し、政治改革や文明化を導く後見者となることが、東洋の平和維持に直結すると主張する。侵略ではなく列国共同の利益と自由競争を通じ、アジアに安定した平和をもたらすことを国家の天職として掲げる。

大隈重信

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 22

〔今日の世界と東アジア〕  諸君、近来支那朝鮮という問題がよほど世間の注意を惹くことになった。ことに満韓という問題は政治家、学者は勿論、事業家の間などにも、よほど注意せらるることになったのは甚だ喜ぶべきことであります。我輩はほとんど十数年以来支那の問題を研究している。しかし今までは社会はあまりこれに耳を傾けなかった。然るに近来は全社会を通じて、この問題によほど重きを置くということになったのは、諸君と共に最も喜ぶべき事である。抑々この問題を解釈するために最も必要なる事件は、目下起っているところの我が国家の安危栄辱に関するこの戦争である。この戦争の結果がどうなるかということが先決問題である。もしこれが負ければ清韓どころではない。我が海岸線を守らなければならぬという事になる。これは実に容易ならぬ問題である。国民の頭上に臨んでいるところの最も大なる問題である。しかしこの戦争には必ず勝つと信じている。当局者も無論信じている。ことに軍隊は最も大なる自信力を以て戦いつつあるのである。日本の勇敢なる軍隊と、智勇兼備の将校の力に依って必ず勝つに違いない。しかしながら、戦争の勝利によりてすべての事は決せられぬのである。

大隈重信の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本