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TORENDIA

地名の研究

本文約175,300字 ・ 読了時間 約351分

あらすじ(AIが作成しました)

日本の地名の由来や歴史的背景を紐解く研究を収める。地名は日本人が必要に応じて制定したものであり、その趣旨や動機を究明することは、先人の生活文化を明らかにすることにつながる。本書では、地名が不明瞭である場合でも、そこには人々の生活との切実な関わりや、古い伝承、土地の地形的特徴などの重大な意味が含まれていることを論じる。さらに、古来の境界の標識である塚や矢にまつわる地名などの事例を挙げ、郷土の歴史を理解する意義を説く。

柳田國男

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自序

始めて自分が日本の地名を問題にしたのは、この本の中にもある田代・軽井沢であった。田代がどこに往ってもかなりの山の中にばかりある理由が何かあるらしく思われたのが元であった。算えてみるともうその頃から、優に三十年を越えている。三十年もかからなければ一冊の本も出せぬような、大きな研究項目ではもちろんない。むしろあまりに小さくかつ煩瑣なる仕事であるがゆえに、多くの人がこれに入ってみようとしなかったのである。私は境涯と資性と、ともにおそらくは誰よりもこれに適していると信じたので、さまでの努力を要せずに自身衆に代ってこの労務に服せんとしたのであるが、それでもなお中途幾たびとなく休息し、また往々にして決意の撓むことを免れなかった。今頃これくらいのものを纏めて世に問うことは、少なくとも内に省みて自ら責むべきものあるを感ずる。

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