TRENDIA CLASSIC

小兒生存權の歴史

柳田國男

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兒童の生存權に就ては、私が云ふまでもなく民法の原則によつて世界中非常な變遷を經て今日の状態に至つてゐるが、その生存の權利それ自身がいつから始まつたかはつきりしてゐない。それがどう云ふ風な變遷を經て、又如何なる觀念によつて今日までに至つたか、それを一通り話して見たいと思ふ。

人間が一人前になつたと云ふ一つの標準に成年式と云ふものがある。日本では兵役の關係があつたと思ふが、近年になつて民法制定の際にこれを大變高く引上げた。その式を擧げる平均年齡は十五で、この年に元服して始めて一人前の仲間入りが出來、生産にも分配にも男一人と勘定されるほか、一人前として結婚もし得るに到るのである。

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