本文へ移動
TORENDIA

農村家族制度と慣習

本文約22,400字 ・ 読了時間 約45分

あらすじ(AIが作成しました)

農村の農業における賃銀の不要な労働組織と、かつての大家族制度を論じる。かつては五十人以上の大家族が一つのかまどで生活することで効率的に労働力を確保し、家業を維持していた。このような農村社会では、祖先崇拝の念が強く、一家の主人はその統率と家運の維持に重い責任を負っていた。本稿では、こうした家族制度の変遷とともに、特定の家筋を忌み嫌う憑物信仰の類についても触れ、それらの悪しき慣習を正当に評価して取捨選択すべきことを説く。

柳田國男

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 35

第一節 家族制度と勞働組織

一 序論

農業にはもと賃銀の要らない勞働組織があつた。その組織の下で働いて居たものは、少なくとも今日の小作人のやうな、生活不安におびやかされては居なかつた。今日、都市の勞働爭議の大部分は賃銀の問題である。小作爭議の大部分は小作人の生活不安から釀されて居る。斯かる時代に、賃銀の要らない勞働組織があつたとか、その組織の下にあつたものゝ生活が安定して居たといふことを言つたら、ほんとには思はれないかも知れない。然し歴史は明らかに此事實を物語つて居る。

柳田國男の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本