昔 むかし、ひとりの女の人がいました。この人には、三人の娘がありました。
いちばん上の娘は、ひたいのまんなかに、目がひとつしかありませんでした。それで、みんなから、ひとつ目、とよばれていました。
二番めの娘は、ふつうの人間とおなじように、ふたつの目をもっていました。それで、ふたつ目、とよばれていました。
いちばん下の娘は、目が三つありました。それで、三つ目、とよばれていました。この娘の三番めの目は、やっぱり、ひたいのまんなかにくっついていました。
さて、ふたつ目だけは、ちょっと見たところ、ほかの人間とすこしもかわりありません。それで、きょうだいからも母親からも、きらわれていました。みんなは、ふたつ目に向かって、しょっちゅう、こういうのです。
「おまえは、なんだい。目がふたつあって、まるで、いやしい人間どもとおんなじじゃないの。あたしたちのなかまじゃないよ。」
こういっては、みんなで、ふたつ目をいじめるのです。着るものも、ひどい服しかやりませんし、食べるものも、自分たちの食べのこしたものしか、やらないのです。こうして、みんなは、ふたつ目にひどいことばかりしました。
あるときのことです。ふたつ目は、野原にでてやぎの番をするように、いいつかりました。けれども、おなかがすいてたまりません。むりもないのです。姉さんも妹も、ほんのわずかの食べものしかやらないのですからね。
ふたつ目は畑の畦にすわって、しくしく 泣きだしました。ふたつの目から、涙があふれてきました。やがて、涙はふたつの小川となって、ながれ落ちました。泣き悲しみながら、ふたつ目は、ふと 目をあげてみました。すると、すぐそばに、ひとりの女の人が立っています。
「ふたつ目や。おまえ、なにを泣いているの。」と、その女の人がたずねました。
ふたつ目は答えました。