新種族ノラ
本文約3,700字 ・ 読了時間 約8分
あらすじ(AIが作成しました)
上海に住む十九歳のノラは、薄鼠色の皮膚とエキゾチックな魅力を持つカンボジア系の混血女性である。百貨店の店員として働き、支配人の愛人となるが、不況による経済的困窮から職を離れる。その後はダンスホールで踊子として生計を立て、周囲の男たちを魅了していく。本作は、多様な人種が行き交う近代都市上海を舞台に、運命に翻弄されながらもたくましく生きる一人の女性の姿と、彼女を取り巻く都会の人間模様を描く。
💰 この本を応援する(投げ銭)
Nora
生まれは、柬甫塞国、プノンペン市。
父は、カンボジヤ華僑、現在、為替経紀。
母は、カンボジヤ女、シソワットの居城、王宮付舞妓であった。
現在は、上海市、フランス・タウン、アルベーローに住む。
学歴は、中西女塾を卒業後、南洋大学の文科の聴講生となった。十九歳。
職業は、南京路角、百貨店泰興公司の女店員、支配人デー・ダブリュ・クロフォードに愛さる。
美貌は、新種族プラナカン(Pranakans)に酷似す。薄鼠色の皮膚、心惹くエキゾチシズムと蛇舞を踊る妖艶さと椰子しゅがあのごとき甘美さがある。
趣味は、ハイ・アライに熱狂す。映画俳優はアドルフ・マンジュウとグレタ・ガルボが好き。ダンスはツレブラ、そのシステム、ウォーク、右廻転、左廻転、プロムナード、チロ、踵を床から浮離するツレブラを愛す。支那賭博を好まず。ポーカーをする。煙草はレッド・バンドを喫い、酒はラム酒、とくにネグリッタラムにてつくるバカーデ・カクテールを愛飲する。
遺伝は、結婚したら鉄漿をつけると云う。上海プノンペン間を商用にて往来する父にカンボジヤ国より檳榔子の実を土産に買ってきてもらう。霖雨の来らんことをたえず願う。工業的騒音を好まざれど精米所の音響と、投機的熱狂を繰りかえす。フランス人にたいする人種的、嫌悪。そしてカンボジヤエロチシズムを発散す。
食楽は、精進料理がお好き。まず録糸にてつくる魚翅、湯葉でつくれる火腿、たまに彼女はかつて母とともに杭州の西湖にある功徳林蔬食処へ精進料理を味わいに行った。鹹ものは蓮根のぬかづけが好き。だがちかごろは洋食のメニューを並べている。ときどきこっそり支那街へ海蛇の料理を食しにいらっしゃる。婦人病の薬だとて。