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TORENDIA

長崎

本文約300字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

凧の舞う空、運河の眼鏡橋、南京寺の蜥蜴、そして聖母マリアを祀るカトリック教会。長崎の町の情景を、印象的な断片を連ねて描く芥川龍之介の紀行的スケッチ。

芥川龍之介

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🎧 長崎 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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菱形の凧。サント・モンタニの空に揚つた凧。うらうらと幾つも漂つた凧。

路ばたに商ふ夏蜜柑やバナナ。敷石の日ざしに火照るけはひ。町一ぱいに飛ぶ燕。

丸山の廓の見返り柳。

運河には石の眼鏡橋。橋には往来の麦稈帽子。――忽ち泳いで来る家鴨の一むれ。白白と日に照つた家鴨の一むれ。

南京寺の石段の蜥蜴。

中華民国の旗。煙を揚げる英吉利の船。『港をよろふ山の若葉に光さし……』顱頂の禿げそめた斎藤茂吉。ロティ。沈南蘋。永井荷風。

最後に『日本の聖母の寺』その内陣のおん母マリア。穂麦に交じつた矢車の花。光のない真昼の蝋燭の火。窓の外には遠いサント・モンタニ。

山の空にはやはり菱形の凧。北原白秋の歌つた凧。うらうらと幾つも漂つた凧。

完

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