TORENDIA
ジャーナリズム
雑感
寺田寅彦
TORENDIA
ジャーナリズム雑感
本文約10,700字 ・ 読了時間 約22分
あらすじ(AIが作成しました)
高速度印刷や交通機関の発達が生んだ特異な現象であるジャーナリズムについて、その本質や社会的な影響を随筆として綴る。著者は、日々報道される事件が類型化され、事実の真相よりもつじつま合わせが優先される実態を指摘する。さらに、営利目的の生存競争が生む弊害を論じ、情報の氾濫が読者の頭脳に及ぼす影響を危惧しつつ、公共機関への移管や冷静な読者の存在を希求する。
🎧 まだ音声版はありません
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 15
いつかある大新聞社の工場を見学に行ってあの高速度輪転機の前面を瀑布のごとく流れ落ちる新聞紙の帯が、截断され折り畳まれ積み上げられて行く光景を見ていたとき、なるほどこれではジャーナリズムが世界に氾濫するのも当然だという気がしないではいられなかった。あまり感心したために機械油でぬらぬらする階段ですべってころんで白い夏服を台無しにしたことであった。
現代のジャーナリズムは結局やはり近代における印刷術ならびに交通機関の異常な発達の結果として生まれた特異な現象である。同時に反応的にまたこれらの機関の発達を刺激していることも事実であろうが、とにかく高速度印刷と高速度運搬の可能になった結果としてその日の昼ごろまでの出来事を夕刊に、夜中までの事件を朝刊にして万人の玄関に送り届けるということが可能になった、この事実から、いわゆるジャーナリズムのあらゆる長所と短所が出発するのであろう。
寺田寅彦の他の作品
TORENDIA
雑記帳より(Ⅱ
)
寺田寅彦
雑記帳より(Ⅱ)
寺田寅彦 ・ 約10分
TORENDIA
新年雑俎
寺田寅彦
新年雑俎
寺田寅彦 ・ 約7分
TORENDIA
猫の穴掘り
寺田寅彦
猫の穴掘り
寺田寅彦 ・ 約9分
TORENDIA
箱根熱海バス紀
行
寺田寅彦
箱根熱海バス紀行
寺田寅彦 ・ 約13分
TORENDIA
ピタゴラスと豆
寺田寅彦
ピタゴラスと豆
寺田寅彦 ・ 約6分
TORENDIA
夢判断
寺田寅彦
夢判断
寺田寅彦 ・ 約4分
TORENDIA
電車と風呂
寺田寅彦
電車と風呂
寺田寅彦 ・ 約18分
TORENDIA
科学上における
権威の価値と弊
害
寺田寅彦
科学上における権威の価値と弊害
寺田寅彦 ・ 約11分
TORENDIA
科学上の骨董趣
味と温故知新
寺田寅彦
科学上の骨董趣味と温故知新
寺田寅彦 ・ 約7分
TORENDIA
観点と距離
寺田寅彦
観点と距離
寺田寅彦 ・ 約5分
TORENDIA
研究的態度の養
成
寺田寅彦
研究的態度の養成
寺田寅彦 ・ 約6分
TORENDIA
言語と道具
寺田寅彦
言語と道具
寺田寅彦 ・ 約8分
同じジャンルの朗読つきの本
TORENDIA
無題抄
上村松園
無題抄
上村松園 ・ 約5分
TORENDIA
三月の空の下
小川未明
三月の空の下
小川未明 ・ 約8分
TORENDIA
少年・春
竹久夢二
少年・春
竹久夢二 ・ 約19分
TORENDIA
月の東京湾
大町桂月
月の東京湾
大町桂月 ・ 約5分
TORENDIA
心の芽
小川未明
心の芽
小川未明 ・ 約21分
TORENDIA
組織としての図
書館へ
中井正一
組織としての図書館へ
中井正一 ・ 約8分
TORENDIA
忌々しき「死」
の大君は
ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri
忌々しき「死」の大君は
ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri ・ 約1分
TORENDIA
編輯室より(一
九一五年一月号
)
伊藤野枝
編輯室より(一九一五年一月号)
伊藤野枝 ・ 約4分