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TORENDIA

鴎外・芥川・菊池の歴史小説

本文約12,300字 ・ 読了時間 約25分

あらすじ(AIが作成しました)

森鴎外の歴史小説は、乃木大将夫妻の殉死を機に執筆された「興津彌五右衛門の遺書」を皮切りに展開する。封建時代の武士の精神構造を題材とした「阿部一族」を経て、次第に身分差を超えた一般人間性を追究する作風へと変化した。本作は、鴎外や芥川龍之介、菊池寛らの歴史文学を論じ、過去の歴史を現代の現実と結びつけて捉えることの重要性と、文学における歴史的現実の描出のあり方を考察する論考である。

宮本百合子

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森鴎外の「歴史もの」は、大正元年十月の中央公論に「興津彌五右衛門の遺書」が載せられたのが第一作であった。そして、斎藤茂吉氏の解説によると、この一作のかかれた動機は、その年九月十三日明治大帝の御大葬にあたって乃木大将夫妻の殉死があった。夜半青山の御大葬式場から退出しての帰途、その噂をきいて「予半信半疑す」と日記にかかれているそうである。つづいて、鴎外は乃木夫妻の納棺式に臨み、十八日の葬式にも列った。同日の日記に「興津彌五右衛門を艸して中央公論に寄す」とあって、乃木夫妻の死を知った十四日から三日ぐらいの間に、しかもその間には夫妻の納棺式や葬儀に列しつつ、この作品は書かれたのであった。

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