本文へ移動
TORENDIA

「保姆」の印象

本文約2,700字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

勤労世帯の子供を預かる保育所の日常と、保育を通じて行われる母親への教育的成果を記録した映画『保姆』を論じる。制作の熱意や街の生活へと踏み込んだカメラの描写に生活的な深みを感じる一方、子供の成長と大人の関わりを描く重要場面の扱いには改善の余地を指摘する。制作過程における撮影者と対象者との関係性、そして記録映画の表現手段としての今後の可能性について考察し、その文化的意義を評価する。

宮本百合子

速度
🎧 「保姆」の印象 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 4

「保姆」いろいろの意味で興味ふかく観た。シナリオを書かれたのが厚木たか氏という女性であることも、そしてこのひとは以前「文化映画」を翻訳しておられることも、こういう種類の記録映画の制作に何となし期待させるものがあったと思う。

シナリオを書くのも随分根気よく保育所の毎日の生活を一緒に経験しつつ、作られて行ったときいている。

勤労の生活をしている両親の子供たちを、保育する仕事をとおして、母親の再教育へという保育所の成果を、ありのままの瞬間の中にとらえて物語ろうとした制作者たちの意図は、熱意も十分感じられ、かなりまで表現されていたと思う。

保育所の界隈の街の様子、往来に溢れている生活、それから家庭の中へ、親たちの仕事場のまわりへまでカメラが動いて行った深さは、よかった。

こういう縦の追求は「保姆」に非常に生活的な奥ゆきを与え、描写そのものがみるものにたくさんの人間生活の課題を暗示して、真面目な芸術性をもゆたかにしていると感じた。

宮本百合子の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本