若い世代の実際性
本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
戦争の影響で結婚が困難な状況下、現代の青年が妻に求める条件の変化や、それに対する若い世代の心理的傾向を論じる。かつては知的な女性が好まれたのに対し、現在は生活能力に長けた家庭的な女性を求める声が強まっている。この変化の背景にある社会の不安定さや、互いの要求に見られる認識の浅さと現実的な冷酷さを指摘し、安易な二極化に陥らず、結婚や家庭に対する自覚的な理想を持ち直す重要性を説く。
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男にとっても女にとっても結婚がむずかしい時代になって来ている。一般的にいえばこれはきのうきょうの現象ではなくて、この十年ぐらいの間にだんだんたかまって来ていることなのだが、この頃の事情には戦争を中心として複雑な困難性が加って来ている。そしてその新たな困難さの性質は、経済上の面では男にも重くかかっているが、対手の選択という点で女の方がはるかに深刻な困難に面していると思われる。そこには、常識で女の婚期と考えられている期間が割合短い制限を持っていることもあるし、数の上で男の少くなって来ている今日の現実にもかかわっている。
そういう今日の若い男女が自分たちのこととしての結婚についてどんな心持ちや考えを抱いているのだろうか。
この間ある婦人雑誌をみていたら、現代の青年はどんな若い婦人を妻に望むかということで集めた回答がのせられていて、目をひいた。
第一に健康で心の明るい婦人をというような共通性のほかに、数年前はインテリ型の婦人が求められていたようですが、今日は家庭的な婦人が求められるようになって来ていると思います、という答えがあって、何となし奥行きのある暗示を感じた。答えているのは専門学校出の青年であった。
この答えは何心なく書かれていて、しかも本人が自覚していない社会感情の今日の現実を示していると思った。数年前に求められていたインテリ型というのはどういう実際の内容が意味されているのかはっきりしないけれども、だいたいは読書を愛したり、音楽や映画にも趣味をもったり、いろいろ人生ということについて良人とも語り合いたい心をもった若い女のことというほどのことであろう。それに対して、昨今は家庭的な婦人が妻として求められているといえば、文学のことだの人生のことだのということはどうでもいいから、先ずスフの洗濯が上手で南京米をうまく炊いて、やりくりをともかく良人に苦労かけずにやってくれる妻、物価高の生活に耐えてくれる妻、そういう妻を求めている傾向だというわけであろう。