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TORENDIA

女の自分

本文約2,300字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

若い女性たちが綴る生活記録の選考を通じて、自身の感情や経験を自己中心的に捉える傾向について考察を綴る。主観的な感情のみに囚われず、第三者の立場から出来事や他者の心情を理解する重要性を説き、女性の社会的な視野の拡大や、個人の経験を社会的な文脈で捉え直すことの意義を論じる。女は自分中心という通説を背景に、自己犠牲とエゴイズムの相関性や、社会生活の中で真に成長し自分を拡大していく道筋を提示する。

宮本百合子

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🎧 女の自分 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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人間には誰でも自分のことが一番面白いのだということがよくいわれている。確にそういうところもあろうと思う。自分のうれしいこと自分の悲しいこと、自分が好きと思いきらいと思うことは一番直接だし、ましてや自分が何か努力して難関を突破したという満足でもあれば、いよいよ自分のことは自分に興味ふかくもなるだろう。

その自然な傾向のなかで、とくに女は自分のことしか話さないということがおりおり皮肉めいて諷される。いろんな話をしているようだが、落ちるつづまりは、きっと自分のことになるのが女の癖だといわれて、私たちは、はっきりとそうばかりでもないといい切れるだろうか。

この間ある若い婦人のための文学投稿雑誌に、生活ルポルタージュの文章をつのって、偶然その選が私に当てられた。そのいくつかの原稿を読んで感じたことは、若い女のひとたちが、生活の日々に起るさまざまの事件やそこに登場して来る人々に対する好意や憎悪の感情を、いつも自分中心に感じてだけいて、第三者の位置に自分をおいてみて、自分の心持や対手の心持を眺めようとする努力がちっともされていないということであった。

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