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TORENDIA

前進的な勢力の結集

本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

一九四五年以降、戦争により理性を失い「自分」を奪われていた日本のインテリゲンチャが、人間としての権利を取り戻そうとする姿を描く。明治以来の近代的な自我の確立の未熟さとファシズムの脅威を指摘し、孤立した専門的活動が意図せず支配層の力に加担する危険性を説く。民主主義を広げ人間らしい生活を守るために、文化人や勤労者が分断を乗り越え、立場を超えて前進的な勢力を結集する必要性を論じる。

宮本百合子

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🎧 前進的な勢力の結集 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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一九四五年の八月以来、日本のすべての生活は驚く程のテンポで推移している。日本の民主化がいわれ、やっと私たちの生命が私たちのものに戻された時、日本のインテリゲンチャは「自分」を取り返す為に熱中と混乱とを示した。何しろ戦争が強行された十数年間日本のすべての理性と人間らしい一人一人の「自分」は殺されていたのだから。そしてその十数年間に生長してきた人々の青春は、青春というのも恐ろしい程人間の自然な開花から遠いものであった。明治以来の思想史の中で、近代的な市民生活の感覚と自分というものとを確立することの出来なかった日本の伝統は、一九三六年にファシズムに対する人民戦線運動が起った時にも、本当の生活感情から精神の自由と人間の基本的権利を守る為には、一つの政治的な行動――つまり社会的な表現を通らねばならないということを理解しなかった。当時の日本の治安維持法は、自然な生活感覚から此の事実を理解している人々をも、まるで文化の人民性、歴史性、その階級性を理解しないように行動させた。この事実は、戦争の間私どもが置かれていた「馬よりも安い人間一匹の命」の状態をかえりみればはっきりわかる。

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