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TORENDIA

敬首和尚の典籍概見

本文約3,400字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

内藤湖南による、浄土宗の僧・敬首和上が著した「典籍概見」の書評・紹介論考。日本において類を見ない目録学の書としての本書を高く評価し、著述の流別を捉えた綜括的な批判や、儒・仏両教の典籍に対する鋭い識見を論じる。弟子による筆録という制約や細かな誤りはありつつも、万巻の書を渉猟した著者の非凡な読書眼と、学術に対する先見的な理解について、書中の章句を引用しながらその価値を説く。

内藤湖南

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🎧 敬首和尚の典籍概見 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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日本に目録學なし。目録や解題の書は相應に古き世より之あり、漢籍にては日本國現在書目、佛書にては八家の將來録などより、信西入道の藏書目、清原業忠の本朝書籍目録、これらは古書を考ふる者の缺くべからずとする所にして、徳川時代に入りては林道春父子の日本書籍考、經典題説が解題の嚆矢となりしより、遂に支那人をして其の名著に驚かしめたる經籍訪古志のごとき者さへ出づるに至りたり。故に目録の書は觀るべき者少しとせざれども、目録學の書に至りては、殆ど之あるを見ず。

蓋し目録學は支那に在りて、特別の發達を爲し、二千年前に於て劉向、劉父子を生じ、其後之を祖述したる者は間出すれども、要するに二劉の上に出づる者なし。其の精神は著述の流別を明らかにするに在りて、單に簿録部居を爲すに在らず。是れ支那の如く、あらゆる學問を歴史的に考察する特種の傾向ある國に相應して成立すべき者にして、專ら分類的に整理せんとする取扱の下に成立すべき者にあらず。故に支那に於て有益なる目録を編製せる學者にても、目録學の本旨に合せる者は至て尠しとせらる。我邦にて此學を爲せる人の曾て之なかりしは異しむに足らず。現今の如く大小の圖書館、到る處に設立せられて、圖書館學が優に一科の學を成せる時に於てすらも、此の支那の古き、發達せる目録學に無關心なることを免がれざるは、是非もなき事と謂ふべし。

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