TRENDIA CLASSIC
世界新秩序の原
理
西田幾多郎
1 / 7
世界はそれぞれの時代にそれぞれの課題を有し、その解決を求めて、時代から時代へと動いて行く。ヨウロッパで云えば、十八世紀は個人的自覚の時代、所謂個人主義自由主義の時代であった。十八世紀に於ては、未だ一つの歴史的世界に於ての国家と国家との対立と云うまでに至らなかったのである。大まかに云えば、イギリスが海を支配し、フランスが陸を支配したとも云い得るであろう。然るに十九世紀に入っては、ヨーロッパという一つの歴史的世界に於てドイツとフランスとが対立したが、更に進んで窮極する所、全世界的空間に於て、ドイツとイギリスとの二大勢力が対立するに至った。これが第一次世界大戦の原因である。十九世紀は国家的自覚の時代、所謂帝国主義の時代であった。各国家が何処までも他を従えることによって、自己自身を強大にすることが歴史的使命と考えた。そこには未だ国家の世界史的使命の自覚というものに至らなかった。国家に世界史的使命の自覚なく、単なる帝国主義の立場に立つかぎり、又逆にその半面に、階級闘争と云うものを免れない。十九世紀以来、世界は、帝国主義の時代たると共に、階級闘争の時代でもあった。共産主義と云うのは、全体主義的ではあるが、その原理は、何処までも十八世紀の個人的自覚による抽象的世界理念の思想に基くものである。思想としては、十八世紀的思想の十九世紀的思想に対する反抗とも見ることができる。帝国主義的思想と共に過去に属するものであろう。
西田幾多郎の他の作品
TRENDIA CLASSIC
アブセンス・オ
ブ・マインド
西田幾多郎
アブセンス・オブ・マインド
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
愚禿親鸞
西田幾多郎
愚禿親鸞
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
井上先生
西田幾多郎
井上先生
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
或教授の退職の
辞
西田幾多郎
或教授の退職の辞
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
世界新秩序の原
理
西田幾多郎
世界新秩序の原理
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
国語の自在性
西田幾多郎
国語の自在性
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
読書
西田幾多郎
読書
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
フランス哲学に
ついての感想
西田幾多郎
フランス哲学についての感想
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
デカルト哲学に
ついて
西田幾多郎
デカルト哲学について
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
絶対矛盾的自己
同一
西田幾多郎
絶対矛盾的自己同一
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
我が子の死
西田幾多郎
我が子の死
西田幾多郎
TRENDIA CLASSIC
明治二十四、五
年頃の東京文科
大学選科
西田幾多郎
明治二十四、五年頃の東京文科大学選科
西田幾多郎