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TORENDIA

絶対矛盾的自己同一

本文約49,800字 ・ 読了時間 約100分

あらすじ(AIが作成しました)

現実世界を多と一が矛盾しながら同一に存在する動的な場として捉え、作られたものから作るものへと歴史的に変容し続ける様相を論じる。過去と未来を相互否定的に包含する現在において時が成立し、個物が社会や環境と関わりつつ表現的・形成的に自己を形作るあり方を考察する。本書は、こうした絶対矛盾的自己同一という概念に基づき、ポイエシスや技術的側面から歴史的生命の自覚としての弁証法的論理を提示する哲学的な論考である。

西田幾多郎

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一

現実の世界とは物と物との相働く世界でなければならない。現実の形は物と物との相互関係と考えられる、相働くことによって出来た結果と考えられる。しかし物が働くということは、物が自己自身を否定することでなければならない、物というものがなくなって行くことでなければならない。物と物とが相働くことによって一つの世界を形成するということは、逆に物が一つの世界の部分と考えられることでなければならない。例えば、物が空間において相働くということは、物が空間的ということでなければならない。その極、物理的空間という如きものを考えれば、物力は空間的なるものの変化とも考えられる。しかし物が何処までも全体的一の部分として考えられるということは、働く物というものがなくなることであり、世界が静止的となることであり、現実というものがなくなることである。現実の世界は何処までも多の一でなければならない、個物と個物との相互限定の世界でなければならない。故に私は現実の世界は絶対矛盾的自己同一というのである。

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