TORENDIA
孔雀
芥川龍之介
TORENDIA
孔雀
本文約350字 ・ 読了時間 約1分
あらすじ(AIが作成しました)
孔雀の羽根を身にまとって驕った鴉が諸鳥に打たれ、あとから来た本物の孔雀までも同じ目に遭わされる。世に偽せ孔雀の多いことを皮肉る、異本「伊曾保物語」の一章として芥川龍之介が紹介する寓話。
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これは異本「伊曾保の物語」の一章である。この本はまだ誰も知らない。
「或鴉おのれが人物を驕慢し、孔雀の羽根を見つけて此処かしこにまとひ、爾余の諸鳥をば大きに卑しめ、わが上はあるまじいと飛び廻れば、諸鳥安からず思ひ、『なんぢはまことの孔雀でもないに、なぜにわれらをおとしめるぞ』と、取りまはいてさんざんに打擲したれば、羽根は抜かれ脚は折られ、なよなよとなつて息が絶えた。
「その後またまことの孔雀が来たに、諸鳥はこれも鴉ぢやと思うたれば、やはり打ちつ蹴つして殺してしまうた。して諸鳥の云うたことは、『まことの孔雀にめぐり遇うたなら、如何やうな礼儀をも尽さうずるものを。さてもさても世の中には偽せ孔雀ばかり多いことぢや。』
「下心。――天下の諸人は阿呆ばかりぢや。才も不才もわかることではござらぬ。」
完
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