今年こそは
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あらすじ(AIが作成しました)
一九五〇年を迎え、激動するアジア情勢の中で日本人が抱くべき心構えを綴る。新中国の誕生とアジアの婦人たちの解放を背景に、日本が直面する全面講和の課題や、戦後の政治状況下における労働者の人権について論じる。平和への願いと自立の重要性を説き、働く人々や女性たちが自身の置かれた現状を直視し、連帯して生きるべき社会のあり方について思索を深める。本書は、歴史的な転換点に立つ日本の針路と、民主的な未来への展望を明示する。
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今年はいろいろな意味で非常に重大な年だと思います。それで個人の抱負と云う様な小さいものでなく、大きく日本人全体としての心構えとでも申しましょうか、それでよろしいでしょうね……
私達の生きている二十世紀も今年で丁度一九五〇年、真中の一つのけじめにかかりました。去年はアジアにとってきわめて意味深い大きな出来ごとがあって、遂に中国は新しい中華人民共和国として誕生しました。
支那と云えば明治の始めから私達日本の人民は何時もなんとなしにおとった人民の様に思いこまされて居って、日清、日露そして第二次世界大戦に於ての中国全土にわたる日本軍の侵リャクを大して人道的に罪だとも思わせられない様になっていました。
しかし中国の人々は日本軍から受けた惨ギャクと永年の搾取に対して、決して忘れてはいないと思います。丁度吉田内閣で首切られた全逓のどんな組合員でも、自分がどういう政府によって生活を奪われたかと云う事、そしてそれに対する抗議さえも奪われたと云う事に対して忘れる人がない様に……
中国が人民共和国になったという事はアジアの婦人達みんなにとって、まったく人ごとではありません。何故ならこうして新しい社会に生きられる様になった中国人民、婦人達こそ、日本の人民が婦人が帝国主義の戦争によってどんなに苦しめられ、そして今も尚買弁的な政府のもとで不幸を解決されずにいるかと云う事を真に理解し、同情する事の出来る人々です。
彼女達の処にも不安定な条件は大きくあるけれども、もう一日一日と生活を向上させてゆく目あてはハッキリつきました。
私達はこの地球でもっとも広い地域を示している新中国の人民の勝利を、ただ「いいわね」と云って眺めたり、やたらにノボセタリしてはいられないと思います。
一九五〇年の私達の課題は日本が全面的な講和によって、次の戦争に利用する事の出来る従順な八千五百万の住民と云うノロワシイ条件を克服しなければなりません。