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TORENDIA

新緑の庭

本文約390字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

桜や椎、竹、芭蕉、梅、八つ手など庭の草木たちが、めいめいの声で新緑の様子をおしゃべりする、芥川龍之介の擬人化された掌編「新緑の庭」。

芥川龍之介

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🎧 新緑の庭 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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桜 さつぱりした雨上りです。尤も花の萼は赤いなりについてゐますが。

椎 わたしもそろそろ芽をほごしませう。このちよいと鼠がかつた芽をね。

竹 わたしは未だに黄疸ですよ。…………

芭蕉 おつと、この緑のランプの火屋を風に吹き折られる所だつた。

梅 何だか寒気がすると思つたら、もう毛虫がたかつてゐるんだよ。

八つ手 痒いなあ、この茶色の産毛のあるうちは。

百日紅 何、まだ早うござんさあね。わたしなどは御覧の通り枯枝ばかりさ。

霧島躑躅 常――常談云つちやいけない。わたしなどはあんまり忙しいもんだから、今年だけはつい何時にもない薄紫に咲いてしまつた。

覇王樹 どうでも勝手にするが好いや。おれの知つたことぢやなし。

石榴 ちよいと枝一面に蚤のたかつたやうでせう。

苔 起きないこと?

石 うんもう少し。

楓 「若楓茶色になるも一盛り」――ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水々しい鶸色です。おや、障子に灯がともりました。

完

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