本文へ移動
TORENDIA

北派の書論

本文約7,000字 ・ 読了時間 約15分

あらすじ(AIが作成しました)

清朝道光頃より流行した北派の書論について内藤湖南が論じる。阮元らが唱えた北派書論の変遷を辿り、古法を重んじる作意の書と、個人の天然の癖を活かす率意の書の相違を分析する。特に北朝の石刻を重視する北派の主張に対し、中央アジア等で発見された晋代の真跡に基づき、その学術的誤りを指摘する。さらに、日本に伝わる唐代等の真跡の価値を再評価し、中国の書学が碑から真跡の研究へと回帰する未来の展望を提示する。

内藤湖南

速度
🎧 北派の書論 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 8

清朝の近代即ち道光頃からして、書に南北兩派と云ふことが唱へられて、殊に北派の書が漸々流行し掛けて來た。此の北派の書を唱へ出した人は、多く學問の方から言ふと所謂漢學派(宋學に對する)に屬する人であつて、其の學問も既に當時の流行に乘じて、全盛を極めて居つた所に、又極めて人氣に投じて居る方法に依つて、書の方の議論にまで及ぼして來たから、唱へ始められてから日が淺いにも拘はらず、頗る流行の度が早い。其の中盛に書論を唱へた人は阮元であつて、之には南北書派論、北碑南帖論と云ふ論文があつて、北派の書論の根據になつて居る。それから又包世臣は、藝舟雙楫と云ふ本を書き、最近では康有爲が更に廣藝舟雙楫を書いて、益北派の説を張つて居る。是で見ると、其の書法の一變と云ふものは、僅に百年以來のことであるやうに見えるけれども、其の兆候は明の中頃からして既に見えるのである。

内藤湖南の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本