踊る地平線
本文約32,000字 ・ 読了時間 約64分
あらすじ(AIが作成しました)
リスボンの波止場で、語り手は跛足の英吉利人リンピイ・リンプと知り合う。リンピイは妻の魔窟の客引きや、深夜の波止場で女たちを船へ送り込む船上出張商人を営んでいた。ある夜、語り手は怪しげな女たちの正体を探るべく停泊中のガルシア・モレノ号に乗り込み、そこには異国情緒あふれる船上の私生活が広がっていた。その後、自ら上海されることを選んだリンピイは、海への放浪心に駆られ、船とともに去っていく。
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葡萄牙のリスボンで、僕はリンピイ・リンプと呼ぶびっこの英吉利人と仲よしになった。
リンピイは海から来た男で、そしてPIMPだった――あとで解る――それはいいが、ついうっかりしてるうちに僕も捲き込まれて、その跛足リンプの助手みたいな仕事をしなければならないことになった。これも詳しくは「後章参照」だが、早く言えば、毎晩僕が夜の埠頭へ出かけて古いINKの海を眺めてるあいだに、いつからともなくこのリンピイと知り合いになったというだけなのだ。
ほるつがる――種が島と煙草と社交病を日本へ紹介した国。
日本――葡萄牙。
東の果てと西のはずれ。
地理的には遠く、歴史的には近い。
両国共通の言語でちょっとこんな判じ物みたいな小景が出来るくらいだ。
彼は Raxa の「まんと」の「ぼたん」をかけていた。彼女は「石鹸」で洗ったばかりの「かなきん」の襦袢「Jibo」に、「びろうど」Veludo の着物をきていた。「びょうぶ」の前に、ふたりは「さらさ」Caraca の座ぶとんを敷いて、Carta「歌留多」をしながら飲んだり食べたりしていた。が、彼はあんまり「ふらすこ」のお酒を「こっぷ」で呑んだし、彼女が Pao「ぱん」と「こんぺいとう」を Tanto「たんと」食べ過ぎるので、お互いに嫌になって離婚した。FINIS といったように、これだって君、あの、この頃産業的に需用の多い「朝飯の食卓で焼麺麭・卵子・珈琲と一しょに消化してあとへ残らない程度の退屈で幸福な近代結婚生活の小説」の作例には、ちゃんとなってるじゃないか。BAH!
で、とにかくリンピイの Who's Who へかかる。
彼の商売は三つから成り立っていた。