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TORENDIA

牛若と弁慶

本文約4,200字 ・ 読了時間 約9分

あらすじ(AIが作成しました)

平家により父義朝を殺された牛若は、鞍馬山で天狗から剣術を学び成長する。一方、京都の五条の橋で刀を奪い千本集めることを目論む怪力の僧・弁慶がいた。ある夜、橋で遭遇した二人は太刀を巡って対決し、牛若に敗れた弁慶は臣従を誓う。やがて義経と名を改めた牛若は、弁慶を従えて頼朝と共に平家討伐へ向かう。平家を滅ぼした後の二人の主従の絆と、義経への忠義に殉じた弁慶の壮絶な最期までを描く。

楠山正雄

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🎧 牛若と弁慶 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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一

むかし源氏と平家が戦争をして、お互いに勝ったり負けたりしていた時のことでした。源氏の大将義朝には、悪源太義平や頼朝のほかに今若、乙若、牛若、という三人の子供がありました。ちょうどいちばん小さい牛若が生まれたばかりのとき、源氏の旗色が悪くなりました。義朝は負けて、方々逃げかくれているうちに、家来の長田忠致というものに殺されました。

平家の大将清盛は、源氏にかたきを取られることをこわがって、義朝の子供を見つけしだい殺そうとかかりました。

義朝の奥方の常盤御前は、三人の子供を連れて、大和の国の片田舎にかくれていました。

清盛はいくら常磐を探しても見つからないものですから困って、常磐のおかあさんの関屋というおばあさんをつかまえて、

「常磐のいるところをいえ。いわないと殺してしまうぞ。」

と毎日ひどくせめました。

常磐はこのことを聞いて、

「おかあさまを殺してはすまない。わたしが名のって出ても、子供たちはまだ小さいから、たのんだら殺さずにおいてもらえるかもしれない。」

と思って、京都へ出かけました。

ちょうど冬のことで、雪がたいそう降っていました。常磐は牛若を懐に入れて、乙若の手をひいて、雪の中を歩いて行きました。今若はそのあとからついて行きました。

さんざん難儀をして、清盛のいる京都の六波羅のやしきに着くと、常磐は、

「おたずねになっている常磐でございます。三人の子供をつれて出ました。わたくしは殺されてもようございますから、母の命をお助け下さいまし。子供たちもこの通り小さなものばかりでございますから、命だけはどうぞお助け下さいまし。」

と申しました。

親子のいたいたしい様子を見ると、さすがの清盛も気の毒に思って、その願いを聞きとどけてやりました。

それで今若と乙若とは命だけは助かって、お寺へやられました。牛若はまだお乳を飲んでいるので、おかあさんのそばにいることを許されましたが、これも七つになると鞍馬山のお寺へやられました。

そのうち牛若はだんだん物がわかって来ました。おとうさんが平家のために滅ぼされたことを人から聞いて、くやしがって泣きました。

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