和尚さんと小僧
本文約2,500字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
けちんぼな和尚は、独り占めするために飴を毒薬と偽って隠すが、小僧はすきを見て食べ尽くす。ある日、小僧は檀家から届いたお団子を全て食べると、その証拠を仏像の口に塗りつけて和尚を騙そうとする。お団子を仏像が食べたと言い張る小僧と、憤慨して仏像を問い詰める和尚の攻防を描く。欲張りな師匠に対して機転を利かせた知恵比べの様子をユーモラスに綴る。
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一
大そうけちんぼな和尚さんがありました。何かよそからもらっても、いつでも自分一人でばかり食べて、小僧には一つもくれませんでした。小僧はそれをくやしがって、いつかすきを見つけて、和尚さんから、おいしいものを召し上げてやろうと考えていました。
ある日和尚さんは檀家から、大そうおいしいあめをもらいました。和尚さんはそのあめをつぼの中に入れて、そっと仏壇の下にかくして、ないしょで独りでなめていました。
ところがある日、和尚さんは、用事があって外へ出て行きました。出て行きがけに、和尚さんは小僧にいいつけて、
「この仏壇の下のつぼには、だいじなものが入っている。見かけはあめのようだけれど、ほんとうは、一口でもなめたら、ころりとまいってしまうひどい毒薬だ。命が惜しいと思ったら、けっしてなめてはならないぞ。」
といい置いて、出て行きました。
和尚さんが出てしまうと、小僧はさっそくつぼを引きずり出して、残らずあめをなめてしまいました。それから和尚さんの大切にしている茶わんを、わざと真っ二つに割って、自分は布団をかぶって、うんうんうなりながら、いまにも死にかけているようなふりをしていました。
夕方になって、和尚さんが帰って来てみますと、中は真っ暗で、明りもついていませんでした。和尚さんはおこって、
「こらこら、小僧、何をしている。」
とどなりました。すると小僧は布団の中から、虫の鳴くような声を出して、
「和尚さん、ごめん下さい。わたしは死にます。もうとても助かりません。死んだあとは、かわいそうだと思って、お経の一つも読んで下さい。」
といいました。
和尚さんは、だしぬけに妙なことをいわれて、びっくりしました。
「小僧、小僧、いったいどうしたのだ。」