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TORENDIA

ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記

本文約26,600字 ・ 読了時間 約54分

あらすじ(AIが作成しました)

飢饉に苦しむばけものの世界で、両親を失った少年ネネムは、一人の男に連れ去られた妹を追う。後に成長した彼は、周囲のばけものたちを束ねる立場となり、町での不正を取り締まる。ある時、部下たちと歌い踊りながら熱狂する中で、誤って人間の世界の峠へ迷い込む。自身の身勝手な振る舞いを悔いたネネムは、裁判長としての自らを裁き、職を辞して大学校の掃除に従事することを決意する。

宮沢賢治

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一、ペンネンネンネンネン・ネネムの独立

〔冒頭原稿数枚焼失〕のでした。実際、東のそらは、お「キレ」さまの出る前に、琥珀色のビールで一杯になるのでした。ところが、そのまま夏になりましたが、ばけものたちはみんな騒ぎはじめました。

そのわけ〔十七字不明〕ばけもの麦も一向みのらず、大〔六字不明〕が咲いただけで一つぶも実になりませんでした。秋になっても全くその通〔七字不明〕栗の木さえ、ただ青いいがばかり、〔八字不明〕飢饉になってしまいました。

その年は暮れましたが、次の春になりますと飢饉はもうとてもひどくなってしまいました。

ネネムのお父さん、森の中の青ばけものは、ある日頭をかかえていつまでもいつまでも考えていましたが、急に起きあがって、

「おれは森へ行って何かさがして来るぞ。」と云いながら、よろよろ家を出て行きましたが、それなりもういつまで待っても帰って来ませんでした。たしかにばけもの世界の天国に、行ってしまったのでした。

ネネムのお母さんは、毎日目を光らせて、ため息ばかり吐いていましたが、ある日ネネムとマミミとに、

「わたしは野原に行って何かさがして来るからね。」と云って、よろよろ家を出て行きましたが、やはりそれきりいつまで待っても帰って参りませんでした。たしかにお母さんもその天国に呼ばれて行ってしまったのでした。

ネネムは小さなマミミとただ二人、寒さと飢えとにガタガタふるえて居りました。

するとある日戸口から、

「いや、今日は。私はこの地方の飢饉を救けに来たものですがね、さあ何でも喰べなさい。」と云いながら、一人の目の鋭いせいの高い男が、大きな籠の中に、ワップルや葡萄パンや、そのほかうまいものを沢山入れて入って来たのでした。

二人はまるで籠を引ったくるようにして、ムシャムシャムシャムシャ、沢山喰べてから、やっと、

「おじさんありがとう。ほんとうにありがとうよ。」なんて云ったのでした。

男は大へん目を光らせて、二人のたべる処をじっと見て居りましたがその時やっと口を開きました。

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