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TORENDIA

狼園

本文約60,500字 ・ 読了時間 約122分

あらすじ(AIが作成しました)

冷酷かつ狡猾な性格を自認する語り手は、肉親や周囲との関係に違和感を抱きながら孤独の中に生きる。ある日、恋の懊悩を抱えて放浪の旅に出た叔父の芹沢東洋や、精神的に追い詰められ疲労困憊した女性・秋子と対峙する。語り手は、彼らの苦悩や周囲の感情的な解釈を冷静に観察しながらも、自分自身の愛や孤独、そして生と死の本質を巡る葛藤を深めていく。物語は、語り手が秋子に対する複雑な情念や、周囲の人々との交錯する関係の中に投げ出される様を描く。

坂口安吾

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その一 冷血漢

温い心とは何物だらう? それからまごころといふことは? 愛といふことは?

私の父は悪者ではない。それから叔父も、妹も、三人の特別の関係のある女達も。そのうへ此等の人々は私に対して危害を加へないばかりか、私の幸福を祈つたり、私が俗物ではないことを私以上に確信したり、私が私自身に対してさへ労はることを絶対に許さない苦悩に対して労はりの情をさしむけやうとしてみたり、私の愛情に依頼したり、それに裏切られた寂寥に打ち悄れたりする。やりきれないことだ。

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