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TORENDIA

生まれ変った赤坂離宮

本文約1,500字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

人間が言葉と法則を獲得し、発展させてきた歴史的経緯を踏まえ、赤坂離宮に設置された国立国会図書館の意義と役割を綴る。戦争への悔いから生まれたこの施設を、日本国民が自ら法律を創るための材料を集め、政治経済の動向を調査・分析して提供する拠点と位置づける。読書のみならず、人民のために情報を組織化し、新しい秩序を模索する組織として、この図書館が担うべき責務と機能を詳述する。

中井正一

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🎧 生まれ変った赤坂離宮 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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二つの足で立つようになるために、人間は二十万年もころんでは立ち、ころんでは立ちしたんだろう。そして、手が自由になったとき、どんな気持ちがしただろう。

ものをつかんで、土の上に立った人間のすがた。今はあたりまえのことだが、このあたりまえのことを、何十万年も努力した人間の勝利の記録であることを思ってみる人が、今地球上で何人いるだろう。

言葉だって同じことだ。

手が自由になり言葉を発見したから、数字もでき、物ごとの中に法則があることを見つけだし、人間の関係の中にも、法則らしいものがあることをさぐりだしたことは、実は大変なことなのだ。

五千年前から奴隷制や封建制が、つぎつぎにできて、人間がすこしまがぬけて、とんでもなくおこりっぽくなったり、おくびょうになったからって、人間を馬鹿とばかり思いこむのは早すぎる。

人間はすばらしい宇宙のただ一つの存在だ。その証拠に、言葉を語りあっている。そして、法則をさがしもとめている。

人間が人間の間の法則を、たがいにさぐりあえたら、人間と人間との争いはなくなる。

人間がけんかをするとき、人々は声をあげて言葉で争う。それがつきて、手がでるのだ。

戦争も同じだ。何カ年もつづいた大戦争も、いずれ、数ページの講和条約でおわる。もし、この数ページの条約の言葉を、戦いの前に、おたがいにあみだすことができたら、どんなにたくさんの戦争がおこらずにすんだかもしれない。

言葉はいつも、戦争と戦争している。

アレクサンダーが戦争している間にも、言葉は、彼の名前をつけたアレクサンドリア図書館となって、彼の三十年の生涯の百倍もの間、今、なお戦いをつづけている。

赤坂離宮にできた国立国会図書館も、遠い遠い、人間の血汐のなかにそだってきた、言葉のもつ大きなつとめをせおって、日本の戦いへのかぎりない悔いのしるしとして立ちあがったのである。

この図書館は、日本民族が、戦争のはてに立ちあがってゆくにあたって、その新しい生きかたの法則をさぐりもとめるために、あらゆる材料をのがすまいと、ここにあつめた一つの巨大な新しい夢の殿堂である。

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