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TORENDIA

「文壇波動調」欄記事

本文約500字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

諸雑誌に掲載された多数の戯曲を読み解く月評の仕事について、その苦労や心得を綴る。執筆者が感じた戯曲への倦怠感や、月評という形式が抱える継続性の重要性に触れる。また、作家の評価に責任を持つ公平な批評の姿勢を説き、特定の新人作家が持つ劇的才能を評価しつつも、将来的な創作のあり方についても言及する。断続的な関わりでは作品の真価を捉えにくいという考えから、今後月評を行わないという執筆者自身の決意で締めくくる。

岸田國士

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四月号の諸雑誌の戯曲を二十五篇読んでその印象を朝日に書いたが、その後寄贈された雑誌の中にも戯曲が一二篇づゝ載つてゐるので、これも読まなければわるいやうな気がする。たゞ、もう戯曲には飽き飽きした。しばらくは顔を見るのもいやだといふ気がする。

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月評といふ仕事は、せめて一年は続けて毎月やらなければ、纏つた仕事にはならないだらう。一と月だけポツンとやつたんではしかたがない。今月感心した作家でも、来月は感心しないかも知れない。その反対の場合もある。

勿論月評家の批評が、一人の作家の浮沈を決定するとは思はないが、公平を期する上から云へば、きまぐれに、若い作家などの作品を云々することは慎むべきだ。

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しかし、「街」といふ同人雑誌に「トロイの木馬」一幕を書いてゐる坪田勝氏は、若い人だとは思ふが、有望な作家だ。戯曲といふものゝ本質をつかんでゐる点で、稀に見る劇的才能の所有者だ。それにしても、将来、「上手な台本作り」にならなければいゝが。

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今後、断然、月評だけはしないつもりである。縁もゆかりもない人のことを、褒めたり貶したりするのは、よつぽど面白くでもなければ、苦労ばかり多くて、所詮引合つた仕事ではない。(以上岸田)

完

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