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TORENDIA

入営する青年たちは何をなすべきか

本文約3,600字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

全国の都市や農村から徴兵され、兵営へ入る勤労青年たちの姿を描く。国家の名誉とされる軍務の実態は、資本家や地主の利益を守るための労働者弾圧に他ならないと著者は指摘する。兵営に入った青年たちは、銃器の取り扱いや戦術を習得し、その武器を本来の敵であるブルジョアジーへ向けるべきだと説く。軍隊内部で組織を作り、真の目的を仲間に啓蒙することこそ、革命的プロレタリアートがなすべき任務であると論じる。

黒島傳治

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🎧 入営する青年たちは何をなすべきか / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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全国の都市や農村から、約二十万の勤労青年たちが徴兵に取られて、兵営の門をくゞる日だ。

都市の青年たちは、これまでの職場を捨てなければならない。農村の青年たちは、鍬や鎌を捨て、窮乏と過労の底にある家に、老人と、幼い弟や妹を残して、兵営の中へ這入って行かなければならない。

村の在郷軍人や、青年団や、村長は、入営する若ものを送って来る。そして云う。国家のために入営するのは目出度いことであり、名誉なことであり、十分軍務に精励せられることを希望する、と。

若ものたちは、村から拵えてよこした木綿地の入営服か、あるいは、紋つきと羽織を着ている。そして、新しく這入ろうとする兵営の生活に対する不安と、あとに残してきた、工場や農村の同志、生活におびやかされる一家のことなどを、なつかしく想いかえす。心配する。

兵営は暗く、新しく着せられるカーキ色の羅紗の服は固ッくるしい。若ものたちは、送ってきた親や、同志たちと、営庭で別れる。そして、大きな茶碗で兵営の小豆飯を食わされる。

新しく這入った兵士たちは、本当に国家のために入営したのであるか? それが目出度いことであり、名誉なことであるか?

兵士は、その殆んどすべてが、都市の工場で働いていた者たちか、或は、農村で鍬や鎌をとっていた者たちか、漁村で働いていた者たちか、商店で働いていた者たちか、大工か左官の徒弟であった者たちか、そういう青年たちばかりだ。小学校へ行っている時分から広瀬中佐や橘中佐がえらい、国のためには命を捨てなければならないと教えこまれた。旅順攻撃に三万人の兵士たちを殺してしまった乃木大将はえらい神様であると教えこまれた。小学校を出てからも青年訓練所で、また、同じような思想を吹きこまれた。そして郷土の近くの士族の息子が大尉になっているのを、えらいもののように思いこまされた。

しかし、大尉が本当にえらいか? 乃木大将は誰のために三万人もの兵士たちを弾丸の餌食として殺してしてしまったか?

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