TORENDIA
『人形の家』解
説
島村抱月
TORENDIA
『人形の家』解説
本文約16,600字 ・ 読了時間 約34分
あらすじ(AIが作成しました)
婦人の解放や独立、男女対等な個人としての結婚といった社会問題を題材に、近代劇の父ヘンリック・イブセンが綴る戯曲。本作は、ノラが家を去る支度をして寝室から現れ、夫ヘルマーと面と向かって対決する緊迫した場面を中心に、伝統的な劇の形式を打破し、当時の社会に大きな刺激を与えた。日本においても文芸協会が翻訳・上演し、女優を主役とした新劇として大きな成功を収めた歴史を持つ。
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一
『人形の家』の作者ヘンリック・イブセン(Henrik Ibsen)は西暦千八百二十八年三月二十日、ノールウェーのスキーンといふ小都會に生まれ、千九百六年五月二十三日、七十九歳で同國の首府クリスチアニアに死んだ。彼れの生涯中三十七歳から六十三歳まで、人生の最盛期二十七年間は、本國に意を得ないでドイツ、イタリア等に漂泊の生活を送り、『ブランド』以下『ヘッダ・ガブレル』に至る十餘篇の劇をそのあひだに作つた。彼れの著作目録は、