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TORENDIA

影

本文約17,900字 ・ 読了時間 約36分

あらすじ(AIが作成しました)

相模国の山中にある炭焼小屋へ、夜更けに一人の旅人が休息を求めて訪れる。小屋には住人の重兵衛と息子の太吉、後から来た芸妓のおつやがいた。旅人は朗らかに振る舞うが、太吉は執拗に彼を恐れ、おつやもその様子に異様な気配を感じ取る。やがて旅人の後を追う青年たちが現れ、山中に銃声が響く。のちに巡査によって旅人が殺人犯として死を遂げたことが告げられ、残された者たちは得体の知れない恐怖と死の影に翻弄される夜を過ごす。

岡本綺堂

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登場人物――重兵衛。太吉。おつや。旅人。巡査。青年甲、乙。

現代。秋の夜。

相模国、石橋山の古戦場に近き杉山の一部。うしろに小高き山を負いて、その裾の低地に藁葺きの炭焼小屋。家内は土間にて、まん中に炉を切り、切株又は石などの腰かけ三脚ほどあり。正面は粗末なる板戸の出入口。下のかたには土竈、バケツ、焚物用の枯枝などあり。その上の棚には膳、碗、皿、小鉢、茶を入れたる罐、土瓶、茶碗などが載せてあり。ほかに簑笠なども掛けてあり。上のかたには寝室用の狭き一間、それに破れ障子を閉めてあり。下のかたには型ばかりの竹窓あり。炭焼の竈は家の外、上のかたの奥にある心にて、家の左右には杉の大樹、薄なども生い茂っている。

月明るく、梟の声。

(棚には小さきランプを置き、炭焼男の重兵衛、四十五六歳、炉の前で焚火をしている。やがて大きい湯沸しにバケツの水を汲み入れて、炉の上の自在にかける。障子の内にて子供の声。)

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