本文へ移動
TORENDIA

八坂瓊之曲玉考

本文約12,700字 ・ 読了時間 約26分

あらすじ(AIが作成しました)

八坂瓊之曲玉は、本来は勾玉という個々の形状を指すのではなく、玉の緒によって数個の玉を連ねたもの全体を指す名称である。琉球の巫祝が佩用する連珠の実例や歴史的背景を考察し、かつては装飾として広く用いられた連珠が、神器としての名義と結びついた経緯や、日本のみならず各地に類例が存在する玉飾りの変遷と由来を論じる。

喜田貞吉

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 16

一 緒言

昭和三年七月発行関西考古会の機関雑誌『考古』第三号において、余輩は未熟なる「曲玉考」一篇を発表して管見を学界に問うたことがあった。要はいわゆる曲玉なる名称が、今日の人々の普通に考うるごとく勾形をなす一種の玉のことではなく、本来はいわゆる玉の緒をもって数個の玉を連ねたもの全体の称呼であったというにある。しかしながら、当時材料すこぶる不備であって、その後新たに考え得たところが多く、ことに最近琉球に旅行して、同地の巫祝の佩玉の実際を視察し、かつこれに関する説話をも聞くを得て、啓発せらるるところすこぶる多かったがために、本誌〔(『歴史地理』)〕更新のこの新年号において、特にわが三種の神器の一なる八坂瓊之曲玉の名義につき、稿を改めてその由来、変遷を論じて見ることとする。もちろん今回の発表も、畢竟は前説を補説刪修するに過ぎず、したがって彼是時に多少の重複あるを免れざることについては、あらかじめ読者の御宥恕を請うておきたい。

二 タマという名称

喜田貞吉の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本