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TORENDIA

雪女

本文約3,300字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

吹雪の夜、小屋で出会った雪女は、若い巳之吉を見逃す。のちに、巳之吉が結婚した女性の正体とは。日本の伝説を、小泉八雲が再話した怪談。

小泉八雲

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🎧 雪女 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約二里離れた森へ一緒に出かけた。その森へ行く道に、越さねばならない大きな河がある。そして、渡し船がある。渡しのある処にたびたび、橋が架けられたが、その橋は洪水のあるたびごとに流された。河の溢れる時には、普通の橋では、その急流を防ぐ事はできない。

茂作と巳之吉はある大層寒い晩、帰り途で大吹雪に遇った。渡し場に着いた、渡し守は船を河の向う側に残したままで、帰った事が分った。泳がれるような日ではなかった。それで木こりは渡し守の小屋に避難した――避難処の見つかった事を僥倖に思いながら。小屋には火鉢はなかった。火をたくべき場処もなかった。窓のない一方口の、二畳敷の小屋であった。茂作と巳之吉は戸をしめて、蓑をきて、休息するために横になった。初めのうちはさほど寒いとも感じなかった。そして、嵐はじきに止むと思った。

老人はじきに眠りについた。しかし、少年巳之吉は長い間、目をさましていて、恐ろしい風や戸にあたる雪のたえない音を聴いていた。河はゴウゴウと鳴っていた。小屋は海上の和船のようにゆれて、ミシミシ音がした。恐ろしい大吹雪であった。空気は一刻一刻、寒くなって来た、そして、巳之吉は蓑の下でふるえていた。しかし、とうとう寒さにも拘らず、彼もまた寝込んだ。

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