つばめと乞食の子
本文約2,300字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
ある村に現れた十二、三歳の乞食の子は、食べ物や銭を奪い取っては村人を困らせ、皆から嫌われていた。村人が彼を追放しようと画策し、男に連れ出されても機転を利かせて村へ戻ってしまう。そんなある日、つばめから故郷へ来て王にならないかと誘われた彼は、つばめになることを願う。翌朝、本当につばめへと姿を変えた彼は、南の暖かい国へ旅立ち王となる。その後、彼は時折村へ飛来しては、かつての村人たちの様子を眺め続ける。
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ある村へ、一人の乞食の子が入ってきた。十二、三で顔はまっ黒く、目の大きな子だ。そのうえいじ悪で、人に向かって、けっして、ものをくれいといったことがない。毎日毎日外を歩いていて、ほかの子供がなにか食べていると、すぐさまそれを奪い取って食べてしまう。また銭を持っていると、すぐさまその銭を奪い取って、自分でなにか買って食べてしまう。だから村じゅうでは、その乞食の子をにくまないものがない。けれど、しかるとかえって復讐をするので、だれも恐れていた。乞食の子は、夜になっても泊めてくれるものがない。いつも木の根や、家の軒でねたり、林の中でねたりしていた。朝早く起きると、子供が遊んでいるのを探して歩いた。
ある日じいさんが、途中で財布を取り出して金を計算しているのを見た。乞食の子は、さっそくそばへきて、地面に落ちている小石を拾って、
「おじいさん、銀貨が一つ落ちていた。」といって、手をさしだすと、じいさんはあわてて、金を取り返そうとした。乞食の子は手をひっこめた。するとじいさんは、ほんとうにこの子が銀貨を拾ったと思いこんで、
「この悪い小僧め、早く返さんか。」と怒って後を追い駆けた。乞食の子は、おもしろがって逃げた。じいさんは追い駆けているうち石につまずいて、みんな地面に財布の金をまいてしまった。このとき子供は駆けてきて、落ちた金を拾って逃げた。後でじいさんは、うまくだまされたのを後悔した。
あるとき、金持ちの子供が、うまいお菓子を食べていた。乞食の子は、ぶらぶらやってきた。さっそく子供は、うまいお菓子をふところにかくしてしまった。乞食の子は、自分のからだに止まっていたはえを捕らえた。そしてなにげないふうで、その子供の後ろにまわって、えりもとへはえを落として、
「あっ、危ない、はちが入った! はちが入った!」と叫んだ。
その子供は驚いて、さっそく帯を解いて着物を脱ぎ捨てると、
「僕が、はちを殺してやる。」といって、うまいお菓子の袋を取りあげて逃げていった。子供は泣いて家へ帰った。
村の人々はみんな、この乞食の子をにくんだ。どうかして追いはらう工夫はないかと相談した。