青いランプ
本文約6,200字 ・ 読了時間 約13分
あらすじ(AIが作成しました)
青いかさを持つ不思議なランプをめぐる物語。電灯が普及した村で、忌避されてきたそのランプを人々が試しに灯すと、部屋は青い光に包まれる。かつて研究熱心な父が外国人と親交を結び、国へ帰る手助けをした後に自らも外国へ旅立った過去があった。父の帰りを待つ母が毎晩そのランプを灯すと、黒い海鳥の群れが窓に押し寄せたという伝承を、父の娘である老女が村の人々へ語り聞かせる。
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不思議なランプがありました。青いかさがかかっていました。火をつけると、青い光があたりに流れたのです。
「このランプをつけると、きっと、変わったことがあるよ。」といって、その家では、これをつけることを怖ろしがっていました。しかし、前から大事にしているランプなので、どこへもほかへやることをせずに、しまっておきました。
石油で火を点ける時代はすぎて、いまでは、どんな田舎へいっても、電燈をつけるようになりましたが、まれに、不便なところでは、まだランプをともしているところもあります。
この村でも、しばらく前から、電燈をつけるようになりました。そして、ランプのことなどは、忘れていましたので、不思議なランプの話が出ると、みんなは笑い出しました。
「そんなばかな話があるものか。この文明の世の中に、化け物や、悪魔などのいようはずがない。昔の人は、いろんなことをいって、ひまをつぶしたものだ。それがうそなら、青いランプを出して、つけてみればいい。」と、たまたま集まった人たちはいいました。
すると、家の人は、
「変わったことがあっても、なくても、そういういい伝えだから、めったなことはするものでない。」と、口をいれたのです。
「いいえ、それは迷信というものだ。今夜、青いランプをつけてみようじゃないか?」と、家の人のうちでも、きあわせた人たちと、口をそろえていったものもありましたので、つい、しかたなく、反対したものも同意することにしました。
みんなは、日の暮れるのを待っていました。そして、しまってあった、昔のランプを出してきました。
幾十年前からかしれない、石油のしみや、ほこりが、ランプのガラスについていました。
「石油が、一たれもはいっていない。」
一人は、のぞいてみながら、
「いつ、つけたかわからないのだから、かわいてしまったのだ。」といいました。
石油を持ってきて、ランプに注ぎました。そのうちに、日は、暮れてしまいました。窓からは、北の荒い海が見えます。秋から冬にかけて、雲のかからない日は少なかったのであります。冷たそうな雲が、沖にただよって、わずかに、うす明かりが残っていました。