夕焼け物語
本文約3,300字 ・ 読了時間 約7分
あらすじ(AIが作成しました)
祭りの帰り道、三人の娘は不思議なじいさんから欲しいものを叶える赤い紙をもらう。くしや指輪、オルガンを願う友人を横目に、亡き姉との再会を願った娘は、授かったとこなつの花に姉の姿を見出す。しかし他の贅沢を羨んだことで花は消え、悲嘆に暮れる。過ちを悔い祈り続ける娘のもとへ、白い鳥が根のない花を運んでくる。その花を大切にするうち、娘の髪は美しく変化し、村人からも愛される存在となっていく。
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一
三人の娘らは、いずれもあまり富んでいる家の子供でなかったのです。
ある春の末のことでありました。村にはお祭りがあって、なかなかにぎやかでございました。
三人の娘らも、いっしょにうちつれてお宮の方へおまいりにゆきました。そうして、遊んでやがて日が暮れかかるものですから、三人は街道を歩いて家の方へと帰ってゆきました。
すると、あちらの浜辺の方から、一人のじいさんが一つの小さな屋台をかついで、こっちに歩いてくるのに出あいました。それはよく毎年春から夏にかけて、この地方へどこからかやってくる、からくりを見せるじいさんに似ていました。
三人の娘らはたがいに顔を見合って、ひとつのぞいてみようかと相談いたしました。
「おじいさん、いくらで見せるの?」
と、娘の一人がいいますと、じいさんはかついでいた屋台を降ろして、笑って、
「さあさあごらんなさい、お金は一銭。」
といいました。
三人は一人ずつその屋台の前に立って、小さな穴をのぞいてみました。すると、それには不思議な、ものすごい光景が動いて見ました。よくおばあさんや、おじいさんから話に聞いている人買い船に姫さまがさらわれて、白帆の張ってある船に乗せられて、暗い、荒海の中を鬼のような船頭に漕がれてゆくのでありました。三人は、それを見終わってしまうと、
「ああ、怖い。かわいそうに。」
と、小さなため息をもらしていいました。
そのとき、じいさんは、三人の娘らを見て、笑っていましたが、
「おまえさんがたは、いずれも正直な、おとなしい、しんせつないい子だから、私がいいものをあげよう。この紙になんでも、おまえさんがたの欲しいと思うものを書いて、夕焼けのした晩方に海へ流せば、手に入れることができる。」
といって、じいさんは三枚の赤い小さな紙きれを出して、三人の娘に渡したのでありました。三人は、それを一枚ずつもらって帰りました。
三人の娘らは、みんなの希望を、その赤い紙に書きました。一人は、
「どうかきれいなくしと、いい指輪をください。」
と書きました。一人は、
「わたしにオルガンをください。」