三匹のあり
本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
川辺のくるみの木に住む子ありたちは、母の戒めを破り、秋色に染まった危険な葉へ登ることを決める。三匹のありは好奇心から赤い葉へ向かうが、風に飛ばされ、葉とともに川を流されてしまう。予期せぬ漂流の末、見知らぬ土地へたどり着いた彼らは、そこで新たな生活を始める。遠く離れた故郷の親を恋しく思いながらも帰れぬ日々を送り、やがて親となった彼らは、自らの子供たちにもかつて自分たちが受けた戒めを語り継いでいく。
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川の辺に、一本の大きなくるみの木が立っていました。その下にありが巣を造りました。どちらを見まわしても、広々とした圃でありましたので、ありにとっては、大きな国であったにちがいありません。
ありには、ある年、たくさんな子供が生まれました。それらの子供のありは、だんだんあたりを遊びまわるようになりました。するとあるとき、それらの子ありのお母さんは、子供らに向かっていいました。
「おまえがたは、あのくるみの木に上ってもいいけれど、けっして、赤くなった葉につかまってはならぬぞ。いまは、ああしてどの葉を見ても、真っ青だけれど、やがて秋になると、あの葉が、みんなきれいに色がつく、そうなると危ないから、きっと葉の上にとまってはならぬぞ。」と、戒めたのでありました。
ある日のこと、五匹の子ありが外に遊んでいて、大きなくるみの木を見上げていました。
「なんという大きな木だろう。こんな木が、またとほかにあるだろうか。」と、一匹のありがいいました。
「まだ世界には、こんな木がたくさんあるということだ。これより、もっと大きな木があるということだ。」と、ほかの一匹の子ありがいいました。
「お父さんや、お母さんは、あの木のてっぺんまで、お上りになったといわれた。僕たちも、どこまでいけるか上ってみようじゃないか。」と、ほかの一匹のありがいいました。ついに五匹の子ありは、大きなくるみの木に上っていきました。そこで、中途までいった時分には、五匹とも疲れてしまって、しばらく、枝の上に休んで、物珍しげに、あたりの景色などをながめていました。
「なんという、大きな河だろうか。」といって、一匹のありは下を見おろしていました。
「なんという広い野原だろう。」と、ほかの一匹が驚いていいました。太陽は、ちょうど木のてっぺんに輝いていました。するとそのとき、
「あの枝に、あんなにきれいな葉があるじゃないか。あのそばまでいってみよう。」と、一匹のありが叫びました。
二匹のありは、あの赤い葉こそ危険だと、お母さんやお父さんがいわれたのだから、ゆくのはよしたがいいといいました。けれど、ほかの三匹のありは、どうしてもいってみるといいはりました。